ホームページのアクセス解析は何を見る?GA4・Search Console・Clarityの使い分け

「ホームページからの問い合わせが減った」
「最近アクセス数が落ちている気がする」
そんなとき、ホームページのどこを確認すればよいのでしょうか。
アクセス解析というと、GA4のアクセス数を見ることを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、アクセスが減った原因を調べるには、一つの数字を見るだけでは十分ではありません。
私はホームページの状況を確認するとき、主に下記の3つを使っています。
- Google Search Console(サーチコンソール)
- グーグルアナリティクス(GA4)
- Microsoft Clarity(クラリティ)
ツールでわかること
- Search Consoleは、Google検索で何が起きているか
- GA4は、ホームページに来た人に何が起きているか
- Clarityは、ページの中で実際にどう行動しているか
この記事では、アクセス解析に詳しくない方にもわかるように、「ホームページの調子が悪いとき、何を見ればよいのか」という視点から3つのツールの使い分けをご紹介します。
1.サーチコンソールで「検索から来ている人」を確認する
ホームページのアクセスや問い合わせが減ったとき、まずグーグルサーチコンソールは、Google検索で何が起きているかの検索パフォーマンスを確認します。
最初に確認すること
- 表示回数
- クリック数
- 検索クエリ
- 検索順位
表示回数が減っている
Googleの検索結果にホームページが表示される回数自体が減っています。
検索順位が下がっていないか、これまで表示されていた検索クエリで表示されなくなっていないかなどを確認します。
ただし、表示回数が減ったからといって、必ずしもホームページの評価が下がったとは限りません。
季節によって検索される商品・サービスであれば、時期によって検索する人そのものが増減します。トレンドによって検索需要が大きく変わることもあります。
あるオウンドメディアのSEOを担当していたときには、季節性やトレンドを扱う記事も多く、時期によって検索ボリュームが大きく変動することがありました。
そのため、「表示回数が減った=SEOが悪くなった」とすぐに判断せず、順位と検索需要の両方を確認します。
表示されているのにクリック数が減っている
表示回数はそれほど変わっていないのにクリック数が減っている場合は、別の原因を考えます。
たとえば、検索結果に表示されるタイトルや説明文が、ユーザーに選ばれにくくなっている可能性があります。
また、Googleの検索結果画面(SERP: Search Engine Result Pages)そのものも変化することもあります。検索する内容によっては、通常のWebページだけでなく、AIによる回答や動画、画像、地図などが目立つ場所に表示され、クリック数が変化することもあります。
順位だけを見て、「以前と同じ順位だから問題ない」とは判断できない場合があります。
実際の検索結果画面を確認し、自社のページがユーザーからどう見えているかまで確認することが大切です。
検索クエリには思わぬヒントが隠れている
Search Consoleでは、ユーザーがどのような検索でホームページを見つけたのかも確認します。
想定していたキーワードだけでなく、「こんな言葉でも表示されているんだ」という検索クエリが見つかることがあります。
想定とは異なるクエリから検索流入が発生していることもあります。想定と違う場合は早めに微調整する(記事タイトルを微調整したり、ユーザーが求めている情報をコンテンツに追記など)ことで、流入を増やすことができます。
すでにGoogleが評価し始めている検索クエリは、次の改善につながるヒントになります。
検索順位を確認するときは、パーソナライズの影響を排除したフラットな状態で順位を確認します。
2.GA4で「どこから人が来ているか」を見る
Search ConsoleはGoogle検索の状況を調べるには便利ですが、ホームページへの入口はGoogle検索だけではありません。
そこでGA4を確認します。私はまず、アクティブユーザーやセッションの変化を確認し、さらに流入元を見ます。
- Organic Search:Googleなどの検索エンジン
- Direct:直接アクセスなど
- Referral:他のWebサイトからの流入
- AI Assistant:ChatGPTなどのAIサービス
「ホームページのアクセスが減った」と言っても、すべての流入が均等に減っているとは限りません。検索流入は変わっていないのに、別の経路からのアクセスだけが減っていることもあります。
実際に「問い合わせが減った」と相談を受けて調べたところ、Directの流入が以前の約3分の1まで減少していたことがありました。
Search Consoleだけを見ていれば、「検索順位は変わっていないのに、なぜ問い合わせが減ったのだろう?」となってしまいます。GA4と組み合わせることで、検索以外の変化にも気づけます。
「アクセスが増えた=良いこと」とは限らない
反対に、アクセス数が急増することもあります。「GA4のアクティブユーザーが急激に増えています」となれば、一見うれしい結果に思えます。嬉しい情報のこともありますが、違うケースもあります。
アクセス数が急増している詳細を調べると、海外からのアクセスが急激に増えていたことがありました。自社のターゲットとなるユーザーが増えたわけではありません。
このような場合は、アクセス増加を成果として喜ぶのではなく、流入元を調べる、流入クエリ(検索ボリュームの変化・検索順位の変化)を確認したりする必要があります。
アクセス解析では、「増えた・減った」だけではなく、「なぜ増えたのか、なぜ減ったのか」を見ることが重要です。
GA4で「問い合わせにつながっているページ」を確認する
流入元とあわせて確認したいのが、どのページが問い合わせにつながっているかです。
ホームページでは、トップページを見てそのまま問い合わせるとは限りません。ブログ記事を読んだあとにサービスページへ移動したり、事例をいくつか見てから問い合わせページへ進んだりすることもあります。
GA4で問い合わせを計測できるようにしていれば、問い合わせページへの遷移や問い合わせ完了までに、どのページが見られているのかを確認できます。
たとえば、アクセス数だけを見ると目立たないページでも、そのページを見た人が問い合わせページへ進む割合が高いのであれば、重要なページかもしれません。反対に、多くの人が訪れているページなのに、その先のサービスページや問い合わせページへほとんど進んでいないのであれば、導線を見直す余地があります。
アクセス解析では「たくさん見られているページ」だけではなく、問い合わせにつながる行動を生み出しているページはどこかを見ることも大切です。
3.Clarityで「ページの中で何をしているか」を見る
Search ConsoleやGA4の数字を見ても、「なぜこのページから問い合わせにつながらないのだろう?」と分からないことがあります。
そこで役立つのがMicrosoft Clarityです。
Clarityでは、ヒートマップやセッション録画などを使って、ページ内でのユーザーの行動を視覚的に確認できます。
私は特に広告用のLPを改善するときによく利用しています。
たとえば、下記のようなことを直感的に確認できます。
- どこまでスクロールしているか
- どのボタンをクリックしているか
- クリックしているのに反応しない場所はないか
数字だけを眺めるよりも、ユーザーの行動を直感的に把握しやすいところがClarityのよさだと感じています。
広告はクリックされているのに、1秒以内に離脱していた
広告のクリック数が非常に多いLPをClarityで確認したところ、ページを開いてから短時間で離脱しているユーザーが多いケースがありました。
広告がクリックされているので、広告管理画面だけを見ると順調に見えます。しかしLPを見てもらえていなければ、その先の問い合わせにはつながりません。
- 広告のターゲットとLPの内容が合っているか
- 広告バナーとLPのメインビジュアルにズレがないか
など確認し、改善できる点を調整し、再度結果を確認するを繰り返します。
広告クリック数だけでは分からない問題を、実際のユーザー行動から見つけられるのもClarityのメリットです。
よくクリックされる場所を見つけてページを改善する
Clarityを見ると、制作側が予想していなかった場所にユーザーが興味を持っていることもあります。
あるLPでは、ページ下部に横スクロールしなければ見えない商品がありました。ところが確認すると、その商品のボタンクリックが多いことが分かりました。そこで、横スクロールしなくても見える位置へ商品を移動し、さらにクリックされやすいよう改善しました。
ブログの改善例では、目次でクリック率が高い見出しのコンテンツを上部に移動し、ページ評価をあげたこともあります。
アクセス解析というと「アクセス数を確認するもの」と思われがちですが、ユーザーが興味を持っているものを見つけ、ページの構成を変えるためにも利用できます。
3つのツールは「どこで問題が起きているか」で使い分ける
ホームページのアクセス解析で、すべての数字を見る必要はありません。 知りたい目的に応じて、ツールを使い分けてみましょう。
【目的別】どのツールで何を確認すべきか
| 確認したいこと | ツール |
|---|---|
| Google検索で表示されているか | Search Console |
| どんな検索で見つかっているか | Search Console |
| どこからアクセスされているか | GA4 |
| どのページに入っているか | GA4 |
| 問い合わせにつながっているページ | GA4 |
| ページのどこまで読まれているか | Clarity |
| どこがクリックされているか | Clarity |
| ページ内でどんな動きをしているか | Clarity |
たとえば「問い合わせが減った」という場合
検索結果に表示されなくなった
→ SEOや検索需要を確認する
検索流入は変わっていない
→ GA4で他の流入経路を確認する
アクセスはあるのに問い合わせがない
→ ページや問い合わせまでの導線を確認する
LPまでは来ている
→ Clarityで実際のページ内行動を確認する
というように、問題が起きている場所を少しずつ絞っていきます。
アクセス解析は「数字を見ること」が目的ではない
GA4には非常に多くの数字が表示されます。Search Consoleにも、Clarityにもたくさんの機能があります。しかし、最初からすべてを理解する必要はありません。
大切なのは、「何を知りたいのか」を決めてから数字を見ることです。
- 「問い合わせが減った」なら、どこからの流入が減ったのか。
- 「アクセスが減った」なら、検索表示が減ったのか、それ以外の流入が減ったのか。
- 「広告はクリックされているのに問い合わせがない」なら、LPに来た人がその後どう行動しているのか。
このように問題を分けていくと、見るべき数字も絞られてきます。アクセス解析は、数字を眺めるためのものではありません。
ホームページのどこに問題がありそうなのかを見つけ、次に何を改善するかを考えるためのものです。
まず「どこで変化したのか」を探してみる
ホームページのアクセスや問い合わせに変化があったとき、すぐに「SEOが悪くなった」「ホームページをリニューアルしよう」と判断する必要はありません。
- Search Consoleで検索状況を確認する。
- GA4で流入元や閲覧ページを確認する。
- さらに必要であればClarityで実際のユーザー行動を見る。
順番に確認することで、原因を絞り込めることがあります。にこりでは、ホームページ制作だけでなく、Search Console・GA4・Clarityなどを使って現在の状況を確認しながら、どこから改善すればよいかを整理するWeb・IT支援を行っています。
「アクセスが減った」「問い合わせにつながらないけれど、何を直せばいいのか分からない」といった段階からご相談いただけます。